2014年10月29日水曜日

燃料電池車「ミライ」普及の敵は700万台のハイブリッド車



トヨタ自動車が1992年以来、20年余りの歳月を費やして開発して来たFCV(燃料電池車)をいよいよ12月に発売
http://clicccar.com/2014/10/22/274317/
再来月12月にトヨタから燃料電池車「ミライ」がとうとう発売。既に受注が1000件以上らしい。価格など含めて、個人ではなく自治体といった官公庁などが主な購入先。

愛知県などはFCV(燃料電池車)普及のため自動車税の免除などを打ち出してますが(http://www.yomiuri.co.jp/local/aichi/news/20140722-OYTNT50155.html)、なかなか前途は多難だと思う。

そのFCVミライの普及を妨げるのが、同じトヨタのハイブリッド車。


プリウスは発売当初ほとんど売れなかった

トヨタ製ハイブリッド車、1997年の初代プリウスから17年で、世界販売700万台を突破
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141016-00000007-economic-bus_all
最近トヨタのハイブリッド車は、世界累計販売台数で700万台を突破したらしい。初代プリウスは1997年に発売ですから、約17年でジワジワこの数字を達成したかと思いきや、実は全然違う。

何故なら、初代プリウスは全く売れなかった。年間の販売でも最大で2万台を超えたことがなかった。2003年のモデル末期に至っては1万台を割り込む惨憺たる有り様。

2003年のフルモデルチェンジで、販売店がトヨタ店だけではなくトヨペット店も加わって、ようやくプリウスは売れ出す。それでも二代目プリウスの目標月間販売台数は3000台。いかに目標が低かったか、売れてなかったかが分かる。

ここ数年で急激に販売台数を伸ばすハイブリッド車

昨年2013年12月末に600万台を突破。それから約9カ月で100万台を加え、累計販売台数700万台を達成したこととなる。
トヨタが世界で販売したハイブリッド車の700万台の内、実は100万台が「今年中に発売」されたハイブリッドカー。つまり1年足らずですから、最近になって「ますますハイブリッド車が売れてる」というのがまさに現実。

具体的に今年を振り返ってみると、マイナーチェンジやフルモデルチェンジでハイブリッド化された車種が多いこと多いこと。今年初めはミニバンのノアとヴォクシー、今年の夏頃に登場したレクサスのコンパクトクロスオーバー「NX300h」、最近発売された同じくレクサスの新型スポーツクーペ「RC300h」、などなど。

そして、トヨタはこれから更に15モデルのハイブリッドカーを投入してくるそう。昨年のカローラなどを含めると、ここ数年のトヨタ、そしてこれからの数年のトヨタを見ると、更にハイブリッドカーが爆発的に普及していくことは明らか。

だからバリバリ現役のエコカーであるハイブリッド車を差し置いて、燃料電池車(ミライ)がどう割って入り込むのか?ということ。

まだハイブリッド車の新車販売が下降曲線に入ってたらまだしも、中古ハイブリッド車市場も伸びていくはず。当然トヨタ以外にも、ホンダやメルセデスベンツやBMWなどもハイブリッド車を発売してる。他社メーカーのハイブリッド車も含めると、700万台どころではない。

この世界のトヨタが築いた「ハイブリッドカーの牙城」を崩すのは、いくら世界のトヨタの燃料電池車(FCV)でも困難のような気はする。またプラグインハイブリッドカーや電気自動車も普及させようとしてる中、消費者としては結局どれを選択すれば正解なのか戸惑うのが本音。