永田恵一というプロ評論家が、スバル・レヴォーグの実燃費をレポートしてた。
その数値を見ると、「案外レヴォーグの実燃費は大したことない?」と一瞬思ってしまった。
レヴォーグは4WD
高速道路上での実験では、実燃費がリッター18.3km。
走行性能が高いと評判のレヴォーグですから、ちょっと意外。普通、加速感がある車種はそれだけアクセルの踏み込みが減る。結果、実燃費に優れてることが多い。
レヴォーグのエンジン排気量は、1.6Lターボ。ダウンサイジング化したにも関わらず…と思ったら、実はレヴォーグは4WDのみ。そもそもレガシィに限らず、スバル車は4WD(AWD)が多かった。
普通、日本車は2WD(前輪駆動)が標準であることが多い。少なくとも、2WDのモデルが用意されてる。前輪2つのタイヤを回転させることで、自動車を走らせる。でも4WDは4つ全部のタイヤを回転させるので、その分だけエネルギーが必要。結果、燃費が悪くなる。
しかも1.6Lターボのスペックを見ると、ほぼ実質2.5Lエンジン並の力強さ。そう仮定したら、なかなか妥当な燃費だと分かる。「車重1.5トン以上の4WDのステーションワゴンとしては非常に優秀」と永田恵一プロも高評価。
そう考えると、郊外地での実燃費がリッター14.6kmというのも、なかなか優秀な数値。
レヴォーグのタイヤの空気圧は高め
ただ燃費面を意識してか、実はタイヤの空気圧が250kPa(前輪)と高いらしく、乗り心地はちょっと劣るよう。最近の軽自動車がタイヤの空気圧を高くする傾向が強いですが、スバル車がこういう方法を取ってきたのはやや意外。もちろんレヴォーグの良さは燃費面ではない。車体の剛性感も高く、軽快にコーナーを駆け抜けられて楽しいと永田恵一プロも評価してる。
ただそれでももう少し低燃費でも良かったかも?と思わせるのも事実。正直タイヤの空気圧を高くするぐらいであれば、2WDのグレードも用意してもらえる方が個人的には良い。まだそちらの方が、幅広い需要を取り込めるんじゃないだろうか。
アクティブレーンキープを視覚化
そこそこ燃費が良かった高速道路上での走行ですが、その時に永田恵一プロは「アクティブレーンキープ」を体感したそう。少し説明するとEyeSight3の目玉機能の一つで、白線からはみ出さないようにハンドルを調整してくれる便利機能。このクオリティーがすごく高いらしく、永田恵一プロも「長距離ドライブでの疲労軽減に大きく貢献してくれるに違いない」とお墨付き。街乗り程度では正直必要ないと思うけど、やはり長時間運転では事故軽減に繋がりそう。トラックなどへの搭載義務付けもアリかも。
こんな風にアクティブレーンキープ作動中には、メーター内で緑色で表示してくれる。こうやって視覚化されることで意識できるので、すごく便利。
地味にアイドリングストップの出来がイマイチ?
あとこのレポートで気になったのが、レヴォーグのアイドリングストップの出来。確かスバルではターボエンジンで、初めてアイドリングストップが採用された。その影響もあるのか、イマイチらしい。普通HV以外のガソリン車では、アイドリングストップするとエアコンも停止してしまう。エンジンが止まるから当然。結果、アイドリングストップ中は「温い風」が送風されるデメリットがある。今のような暑い…もはや熱い季節では、冷気が遮断されればほぼ地獄。
それを回避するため、レヴォーグでは頻繁にアイドリングストップが解除され、エンジンが再始動する模様。言っちゃえば、本末転倒。燃費を稼ぐために、却って燃費を損なってるカタチ。おそらく、それが新型レヴォーグの燃費の「もう少し頑張れた感」にも繋がってる。
ただ文中で褒めてましたが、スズキのエネクールは唯一ガソリン車のアイドリングストップでも、エアコンから冷気を送風することが可能。プロ曰く、こういう機能が正直欲しいらしい。ま、レヴォーグに限らずでしょうが、改めて、エネクールのアイデアは秀逸だと実感。