トヨタ自動車や日産自動車など国内の自動車・二輪車全14社は汎用性の高い部品や車載用半導体などの仕様統一に乗り出す。トヨタや日産などが業界全体で、部品や部材の仕様統一を図るらしい。しかもバイクなど二輪車メーカーも含めた、かなり大規模なもの。それだけ部品一つ一つの生産コストが下がると思われます。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ040BL_U4A600C1MM8000/
数日前に「フィットはほとんど利益がない」と記事化しましたが、ホンダには朗報?
じゃあ自動車の価格は下がるのか?
そこで一番消費者として気になるのが、果たして自動車価格が下がるのか?ということ。結論から書くと、おそらく価格は下がらないと思う。
何故なら、今回はあくまでルール作り。もし効果が出るとしたら、かなり中長期的な話。ましてやトラックや二輪車も含めた「汎用性の高い」部分だけのようだから、コストカットできそうな部分も多くはなさそう。
また部品一つ一つの価格はやはり知れてる。おそらく下がっても、一個数円程度ぐらいが関の山じゃないだろうか。もちろん、それがチリツモで、トータルでは一台数百円数千円のコストダウンに繋がる可能性がある。ただその分だけ価格を下げても、果たして消費者に対してどれだけの「訴求力」に繋がるかは疑問。
毎年何十万台何百万台と発売してる以上、たったそれっぽっちのコストダウンでも、相当な利益に繋がるはず。メーカー側の立場に立てば、その分を人件費や設備・開発投資に回したいのが本音だろう。結果、面白いクルマ・楽しいクルマに繋がるのであれば、消費者としては歓迎したい。
ただ、あくまで今回は汎用性が高い部品などだけ。前の記事でも書きましたが、もっと大胆な部品の共通化を図っても面白いと思う。フィットとノートとスイフトの「あの部分」は全部共通してる…とか。
心配は大規模リコールと過当競争
ただ心配なことは、大規模リコール。確かに部品が共通化されれば、それだけ大量生産もできてコストカットに繋がる。でもその分、一つ部品に不具合が起きれば、メーカーや車種の垣根を超えたリコールが発生する可能性が高い。結果、修理や回収するコストが増えたら、元も子もない。そこは心配。
そして大規模災害が一度起きて、部品メーカーが被災した時も心配。何故なら当然、どこか限られた工場が、生産を一手に引き受ける可能性が高い。つまり、部品一つが生産できなくなったことで、自動車全体の生産が滞る可能性も高い。実際、東日本大震災で起きた話。そこはコストも大事だけれども…ってところですよね。
また下請け業者・労働者側の立場に立つと、それだけ部品一つあたりの値段が下げられるということ。スケールメリットがお互いにあるとはいえ、やはり利益が減る可能性もあるので心配なところだろう。それこそ中国や東南アジアに工場が移る可能性も。
…とは言え、部品を共通化することでコストダウンを図っていく道は正しいと思う。あとはそれら以外で、どう「差別化」していくか。ホンダ・ヴェゼルやスズキ・ハスラーがウケてるのを見ると、そこのアイデアがますます重要になってくるんだろうと思います。
ちなみに最新車情報サイト「カーギーク」のホンダ新型フィットフルモデルチェンジ最新情報やスズキ新型ハスラー最新フルモデルチェンジ情報なども参照。今後は別サイトで自動車の最新情報を考察しております。