トヨタは、(株)デンソー、(株)豊田中央研究所と共同で、新しい素材であるSiC(Silicon Carbide<シリコンと炭素の化合物>)によるパワー半導体を開発したと発表。トヨタがハイブリッド車で使う半導体を新たに開発。従来はシリコンだけだったところに、炭素を化合させることで電力をより効率的に扱えるようになったんだそう。
http://autoc-one.jp/news/1769225/
その半導体は現行型のハイブリッド車より1割近く燃費向上させられるらしい。
モーターの電力を制御するPCU(パワーコントロールユニット)
そもそも、新たに開発した半導体はどこに使うのか。それはハイブリッド車で使われてるモーターの電力を制御する、PCU(パワーコントロールユニット)と呼ばれる部分。従来のハイブリッドカーでは、ここの電力ロスが2割にも達してるらしい。それだけ燃費に悪影響。でも今回新たに開発した炭素とシリコンの半導体を使うことで、「現行プリウスの試作車に搭載し、5%以上」の燃費向上を確認できたっぽい。今後は更に「10%」の大幅向上も見込んでるとか。
つまり、現行プリウスで考えると、リッター32.6キロからリッター35.86キロまで向上。現行アクアで考えると、リッター38キロから41.8キロまで伸びる。想像するだけでヤヴァい。
SiCパワー半導体のデメリットはコスト面
ただシリコンと炭素の新パワー半導体の問題点が一つだけあって、それが高価格ということ。ナント現状のパワー半導体よりも、ほぼ10倍のコストがかかるらしい。つまり市販に耐えうるシロモノではないということ。最終的に現行レベルの価格まで下げると、トヨタの担当者は豪語してるようですが、すぐに市販されることはなさそう。3~5年ぐらいは見ておく必要あり?
先月の新車販売台数では、とうとう1万台を切ったプリウス。ただ来年2015年末にはフルモデルチェンジがウワサされてるらしいですが、それには少なくとも間に合わなさそう。果たして、どうこの困難に乗り切るのか。
ただアクアのフルモデルチェンジの頃には搭載される可能性は高く、ハイブリッド技術も日進月歩だなと痛感。例えハイブリッド技術の特許が切れたとしても、他社がトヨタに追いつくのは一筋縄ではいかないか。また自動車は家電だと、誰か偉い人が言ってた気がするが、そんな印象を強くしたニュースでもあった。