そこでスズキのハスラーと、フォルクスワーゲンのup!とを比較してみたいと思う。言い換えると、レーダーブレーキサポート VS シティエマージェンシーブレーキ。
軽自動車と普通車の違いがありますが、up!は排気量が1000ccで、ほぼ同じ価格帯のクルマでもあるので、そこはご愛嬌。あとスズキとフォルクスワーゲンの因縁を強調づけたいなど、そんな他意もございません(・∀・)
所詮は軽自動車レベルな「レーダーブレーキサポート」
スズキ・ハスラーの動画がコチラ。時速30キロまでオッケーと謳ってるようですが、動画の場合だとギリギリ時速20キロぐらいまで。時速20キロでも、壁ギリギリ。滑りやすいタイヤも影響してる模様。価格が4万円台前半だから、こんなもんなんだろうなーと思いつつ、やはり物足りなさも残る。
ただおそらくダイハツやホンダの自動ブレーキも、こんなレベルじゃないかと思う。ダイハツのスマアシは雨中は機能しないようだから、このハスラのレーダーブレーキサポートより厳しいかも。
軽レベルよりはマシ程度な「シティエマージェンシーブレーキ」
続いて、フォルクスワーゲンのup!の動画がコチラ。
ハスラーよりは確実に止まってるものの、かなりギリギリ。普通であれば壁が近づくと「警告音」が作動するんですが、それが一切省かれてるので、いきなり急ブレーキ。後部座席がフワッと持ち上がってしまう。動画の中の人もおっしゃってますが、一応止まるもののヒヤッとさせられる。
ただ、基本的にレーダーブレーキサポートと大差がない印象ですが、確実性という点では上。up!はサイドエアバッグが標準搭載だったりするんですが、それで150万円台から買える。昨年は1万2千台以上売れたのも、さもありなん。
かなり「厳しい条件」で行われた実験
ちなみに、これらの実験は厳しい条件で行われた模様。前方にクルマが走ってて、それがいなくなった途端に壁が現れるという設定で行われてる。極めて「現実に即した」実験のようので、メーカー的にはやや苦しい結果が出がち。メーカーの大半は、何もない状態から「そのまま壁に突っ込むだけ」という状況を想定してるはずなので。
つまり今回の実験のような場合、多くの情報を処理する必要に迫られるので、4・5万円程度の自動ブレーキに使われてるようなんでは、その処理が追っ付かないのかも。
また赤外線センサーを使用してるので遠くの状況も判断できない。だからミリ波レーダーなどよりも却って、逐一変化する状況に即座に対応する必要に迫られるんだろうと思う。
最近スズキは、より遠くのものを感知できるミリ波レーダーをソリオに搭載してきた。軽自動車でも「赤外線からの脱却」も考えさせられる実験だった。